海だけじゃない!於茂登岳

地元ではウムトゥダギと呼ばれていて、昔は「宇本嶽」「宇茂登嶽」と書かれていました。沖縄本島を含め、琉球で正保年間の「正保国絵図」に名前が記載されたのはこの山だけという由緒正しき歴史のある山です。石垣といえば海と思われがちですが、この山も石垣を象徴する大事なポイントの一つで、天辺から眺める景色は抜群に綺麗です。山の南側には登山道もあり、石垣島の豊かな自然が育んだ本州では見られない珍しい虫や動物や植物などを鑑賞しながら登ることができると人気のスポットになっています。

於茂登岳とは

石垣島北岸沿いに東西に連なる於茂登山系のほぼ中央に位置している山です。北北東には桴海於茂登岳が、西にはぶざま岳があります。東・西・南は河川によって境界が引かれていますが、北側は標高400メートル付近までゆるやかに下がり、そこから標高50メートル布巾の海岸段丘まで急に低下する地形になっています。1997年9月11日には、その美しい景色が国に認められ、北西麓の川平湾とともに「川平湾及び於茂登岳」として国の名勝に指定されています。

地質

於茂登岳は新第三紀の花崗岩から出来ています。北東側中腹から発する宮良川や南側中腹から発する名蔵川が、生活用水や農業用水など島の重要な水源であるため、南斜面の一部は水源涵養林に指定されています。また、山頂周辺や尾根筋などは保安林に指定されています。イタジイを中心とする照葉樹林に覆われていますが、山頂付近はリュウキュウチクに覆われ、背の高い草地となっています。北側の斜面にはカンヒザクラが自生していて、国の天然記念物に指定されています。このほか、国指定の特別天然記念物であるカンムリワシやリュウキュウキンバト、県指定の天然記念物であるアサヒナキマダラセセリなどの動植物が周辺に生息しています。

信仰の対象として

於茂登岳は古くから霊山として信仰の中心的存在となっていました。山名の「ウムトゥ」は「島の大本」を意味するとも言われています。かつては於茂登の神・ウムトゥテラシィへの通し願いが島内の多くの御嶽で行われ、名蔵村の御嶽はオモト岳の神の拝礼所だったのだそうです。また、首里の弁ヶ岳、於茂登岳、久米島の三神は姉妹であり、日本から渡来したとも言われています。二番目の神は妹と一緒に久米島を居所としましたが、自分の山が妹のいる山より低かったので、八重山に移って於茂登岳に垂迹して島の守護神になったという言い伝えがあります。弘治13年のオヤケアカハチの乱の際には、久米島の神女が琉球王国の軍に帯同し、於茂登岳の神を説得して帰順させたといわれています。また、信仰の山として広くうたわれており、宮良村では照らす山と呼ばれています。このほか、於茂登山から流れる水で貢布を作る、蔵を建てるための材木を山で伐り出す、美女が役人の求愛を拒んでこの山に逃げこんだなど、様々な内容の伝説があります。また、西表島は西の於茂登の意味があるという説もあります。

沖縄で登山

沖縄に来てまでわざわざ登山なんて・・・と思う方も居るかもしれません。でもこの於茂登岳は本当にオススメです。標高はそんなに高くないので、ちゃんとした靴さえあればハイキング気分で登ることができます。登山道はしっかり整備されていますが、途中に丸太の橋や岩場などもあり、ちょっとした冒険気分が味わえるのでお子さんにも楽しいと思います。途中に見られる木々は亜熱帯の石垣らしい原生林になっていて、ジャングルを進むかのようです。こういう雰囲気は本州ではなかなか体験できないと思います。歩いていると色々な昆虫や生き物に遭遇します。途中には小さな滝もあって気持ちがいいです。山頂につくと、眼下に広がる石垣島の風景が登頂達成の喜びと相まって素晴らしく綺麗です。天気がよければお隣の西表島まで見ることができ、足元に広がる山々と青い海のコントラストに心洗われます。登頂から下山まで2時間くらいで出来る手軽さもこの山のいいところですね。石垣島で一番人気の観光地・川平湾からも近いので、ぜひ立ち寄ってみてください。

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